オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年4月

第10回フォークリフト雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社エコノリース、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~資格と特徴~

ということで、今回は、フォークリフト販売業者にとって重要な資格や講習とその特徴、導入の実務的メリットについて、深く解説します

 

信頼と安全を支える“知識と証明”の重要性

フォークリフトは、「動く重機」として高い危険性と専門性を持つ産業車両です。
そのため、単なる営業活動にとどまらず、導入提案・納品・整備・操作説明・メンテナンスなど幅広い工程に関わる販売業者は、各種の資格や講習修了が求められます。

また、資格を保有していることは、顧客に対する信頼性の証明であり、トラブル発生時のリスクヘッジにもつながります。


✅ フォークリフト販売業者が関わる業務範囲とは?

まず、販売業者が担う可能性のある業務は多岐にわたります。

業務内容 関連する役割
本体販売 機種提案・現場訪問・契約
納品・操作説明 安全指導・取り扱い説明
メンテナンス 整備・修理・バッテリー交換など
下取り・中古販売 状態査定・点検・法令対応
リース対応 使用契約管理・法的説明責任

この中には、資格が必要な業務・あれば有利な業務が多く含まれています。


✅ フォークリフト販売業者に必要な主な資格・講習一覧

① フォークリフト運転技能講習(国家資格)

▷ 資格概要

  • 労働安全衛生法に基づく国家資格(厚生労働省所管)

  • 1トン以上のフォークリフトを運転するには必須

  • 学科+実技で合計31時間以上の講習(経験者は短縮可)

▷ 特徴とメリット

  • 試乗・納品時の操作確認やデモが可能になる

  • 顧客に対する安全運転の実演・指導ができる

  • 自社ヤード内でのフォークリフト移動が可能

👉 Point: 実務で試運転や実演を行う可能性がある販売員・営業・整備士は、必ず取得しておくべき基本資格です。


② フォークリフト特別教育(小型のみ対象)

▷ 資格概要

  • 最大積載1トン未満のフォークリフト専用

  • 特別教育(座学+実技)の修了で運転可能

  • 国家資格ではなく、民間教育による修了証

▷ 特徴とメリット

  • 小型フォークリフト(軽量電動など)に対応

  • 倉庫や店舗での軽作業、納品・引き取りにも使える

👉 Point: 軽量フォークリフトを多く扱う小売・物流支援業者におすすめ。
ただし、1トン以上の機体は運転不可なので注意。


③ フォークリフト整備技能士(国家検定)

▷ 資格概要

  • 厚生労働省による技能検定制度

  • 3級〜1級まであり、整備経験が必要

  • 主に整備士向けだが、販売業者にも有用

▷ 特徴とメリット

  • 中古販売・点検・修理時の信頼性アップ

  • 整備ミスによる事故・責任リスクの低減

  • 自社整備部門の差別化・ブランディング

👉 Point: 自社で整備・修理対応まで完結させる販売業者は、最低1名以上の有資格者が在籍する体制を推奨します。


④ 第二種電気工事士(バッテリー式車両の電装対応)

▷ 資格概要

  • 電気工事の国家資格(経済産業省所管)

  • フォークリフトに直接必要とはされないが、バッテリー交換、電装系の修理に関わる場合は有利

▷ 特徴とメリット

  • 電動フォークリフトの充電設備工事や電源配線の提案力UP

  • 工場や倉庫との電源設計の相談にも対応可能

  • スマート倉庫化・DX対応として価値が上昇中

👉 Point: 法令上は別作業扱いになるが、電気的な知識があることで営業・提案の幅が広がる


⑤ 中古車査定士(フォークリフトにも応用)

▷ 資格概要

  • 中古車査定業務に関する民間資格

  • フォークリフト専用ではないが、買取・下取りの際に重宝

▷ 特徴とメリット

  • 適正価格での査定と提案ができる

  • 相場観の習得により、仕入・販売利益の最適化

  • 買取査定時の顧客との交渉材料になる


✅ その他の関連資格・制度(あれば有利)

資格・講習名 特徴・対象者
小型移動式クレーン運転技能講習 クレーン付きフォークリフトなど特殊車両の提案に強い
玉掛け技能講習 フォーク以外の吊り具運用時に必須
安全衛生推進者講習 顧客現場での安全講習実施や提案で信頼感アップ
建設機械整備士 重機全般の整備・メンテナンス対応を広げたい業者向け

✅ 資格を持っていることで得られる5つのメリット

  1. 信頼性の向上
     → 顧客に「安全・正確な知識がある」と評価されやすい

  2. 現場対応力の強化
     → 操作説明・故障対応・下見時に的確な判断ができる

  3. 責任分界の明確化
     → 納品後の事故やトラブル時にも、自社責任の範囲を明確にできる

  4. 営業の提案力アップ
     → 使い方や安全運用までアドバイスできる営業は差別化される

  5. リスク管理(法令順守)
     → 法的要件をクリアし、安全衛生管理も徹底できる


✅ 資格を備えた販売業者は、選ばれる存在に

フォークリフトの販売は単なる「物売り」ではなく、安全・性能・法令順守を総合的に提案する高度な業務です。
そのためには、販売担当者自身が資格を保有していることが、知識と信頼の証明になります。

さらに、自社内に整備士・査定士・電気系知識を持つスタッフを育成すれば、
アフターサービス・下取り・リース契約など、付加価値型の販売体制も構築可能です。


📋 フォークリフト販売業者向け 資格取得チェックリスト

資格名 対象職種 難易度 おすすめ度
フォークリフト運転技能講習 全職種(営業・整備) ★★★
整備技能士(1〜3級) 整備・メンテ担当者 ★★★★
特別教育(1t未満) 小型専門業者 ★★
電気工事士(二種) 電動車販売・DX提案 ★★★★
査定士 中古取引営業 ★★★

 

apple-touch-icon.png

第9回フォークリフト雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社エコノリース、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~種類と特徴~

ということで、フォークリフトの種類を体系的に分類し、それぞれの特徴・用途・導入時のポイントを、プロの視点で深掘りしてご紹介します。

 

フォークリフトは、物流現場や製造現場の“荷役の心臓部”とも言える存在です。
しかし一口に「フォークリフト」といっても、動力源や構造、用途、タイヤの種類によってさまざまなバリエーションがあります。

販売業者としては、単なる機械の説明にとどまらず、ユーザーの作業内容や環境に最適な1台を提案する力が求められます。


✅ フォークリフトの基本分類

フォークリフトは主に以下の3つの軸で分類されます:

  1. 動力の種類(エンジン式/バッテリー式)

  2. 構造・タイプ(カウンター式/リーチ式/サイド式 など)

  3. 用途・特殊機能(屋内用/屋外用/高揚程対応/狭小地対応)


✅ 1. 動力別のフォークリフトの種類と特徴

🔹 エンジン式フォークリフト(内燃機関式)

特徴

ディーゼルエンジンまたはガソリン/LPGを使用

  • パワフルなトルクで、屋外・重量物運搬に最適

  • 耐久性に優れ、長時間稼働に強い

デメリット

  • 排ガス・騒音が発生するため屋内作業には不向き

  • メンテナンスがやや多め(エンジン・オイル管理など)

主な導入現場

  • 建設資材置場、鉄工所、港湾、屋外ヤード など


🔹 バッテリー式フォークリフト(電動式)

特徴

  • モーター駆動でクリーン・静音

  • 小回りが利き、屋内・倉庫内作業に適する

  • メンテナンスコストが比較的低い(エンジン部品なし)

デメリット

  • 稼働時間に制限あり(充電が必要)

  • 屋外や傾斜路には不向きなケースも

主な導入現場

  • 倉庫、工場内部、冷凍・冷蔵倉庫、クリーンルーム

👉 Point: クリーンな環境、衛生管理が重要な業種(食品・医薬・化粧品など)では電動式が推奨されます。


✅ 2. 構造別:作業形態によって選ぶフォークリフトのタイプ

🔸 カウンター式フォークリフト(最も一般的)

特徴

  • 荷物の重さを後方のカウンターウェイトで釣り合いをとる構造

  • 乗用タイプで、正面から荷物を持ち上げる

メリット

  • 操作性がシンプルで、初心者にも扱いやすい

  • 屋外対応が多く、安定性が高い

デメリット

  • 最小回転半径が大きく、狭い場所での作業はやや不向き


🔸 リーチ式フォークリフト(狭小スペースに強い)

特徴

  • 操作席が横向きで、マストが前後にスライド(リーチ)する構造

  • 主に立ち乗りタイプで、非常に小回りが利く

メリット

  • 狭い倉庫や通路幅が狭い現場に最適

  • 高所棚への出し入れが得意(揚程4m以上対応も)

デメリット

  • 屋外では不安定になりやすく、基本は屋内専用


🔸 サイドフォークリフト(長尺物に特化)

特徴

  • 荷物を横から持ち上げて運ぶ構造(フォークが車体横)

  • 鉄骨材、木材、パイプなどの長尺物運搬に特化

主な導入業種

  • 建材商社、鉄鋼業、木材市場、造船所 など

👉 Point: 長物の横持ち搬送であれば、他のどのタイプよりも効率的です。


✅ 3. 用途・環境別に見るフォークリフトの選び方

🌿 屋内専用フォークリフト

  • 電動式+ノーパンクタイヤ仕様

  • 静音・クリーン・最小回転半径が小さい

  • 排ガス規制、HACCP対応が必要な現場に最適

🏗 屋外・ラフテレーン対応フォークリフト

  • 大径エアタイヤ装着、悪路対応

  • 高トルクエンジンを搭載(ディーゼル中心)

  • 建設現場・資材置場・農場に強い

⛄ 低温倉庫対応(冷凍倉庫)

  • バッテリー保温対応、耐寒仕様の電子制御

  • 操作パネルの結露対策、グリス類も耐寒型

🧠 無人・AGVタイプ(近年拡大中)

  • 自動運転・誘導式フォークリフト

  • 労働力不足・省人化対応として注目

  • 物流DX推進やスマート倉庫に導入が進む


✅ フォークリフト選定時に確認すべき5つの視点(販売時の提案ポイント)

  1. 最大積載荷重(1.0t/2.5t/3.0t…)
     → 実際に持ち上げる荷物+安全マージンを考慮

  2. 最大揚程(高さ)
     → 倉庫棚の高さ、荷姿、出入口の高さも要確認

  3. 稼働時間/1日の使用頻度
     → 電動 or エンジン、バッテリー交換体制を検討

  4. 通路幅/作業スペースの広さ
     → カウンター式かリーチ式かの判断材料に

  5. 導入環境(屋内/屋外/冷凍庫など)
     → 排ガス規制、騒音、床材の強度なども加味


✅ 現場の“リアル”に合った1台を提案できる販売業者が選ばれる

フォークリフトは、業種や現場の環境により適したタイプが大きく異なる機械です。
だからこそ、販売業者は単に「機械を売る」のではなく、

  • 現場を訪問して使用状況をヒアリング

  • 作業内容や搬送物に合わせた仕様提案

  • 法規制・リース・メンテナンスの視点を含めたトータルサポート

を行うことで、顧客からの信頼と継続的な取引関係を築くことができます。


📋 フォークリフト選定・販売時の提案用チェックリスト

項目 確認内容
使用環境 屋内/屋外/低温/防爆など
荷物の種類 パレット、鉄骨材、液体タンクなど
必要能力 最大荷重・最大揚程・連続稼働時間
通路幅 最小回転半径に対する可搬性
使用頻度 電動の稼働可能時間や充電管理も確認

 

apple-touch-icon.png